デュラブル
Durable Resinは、衝撃に対する抵抗力が強く、耐摩耗性も高いため、極端に変形させても砕ける確率が低く、スタンダードレジンやTough Resinよりも低摩擦性の素材です。Durable Resinは、ポリプロピレン(PP)または高密度ポリエチレン(HDPE)製品のプロトタイプの製作などにご使用ください。このレジンは、室温環境でこうした特性が求められる用途に最適です。
ポリプロピレンは、高い伸張性、変形性および/または耐衝撃性が求められる時に非常によく使われる素材です。ポリプロピレンの一般的な用途としては、歯ブラシ、車のバンパー、包装材や剃刀などが挙げられます。
歪みに対する耐性が高いレジンとして開発されたDurable Resinは、工業用製品のプロトタイプ製作に最適な素材です。耐衝撃性が求められる凹凸のあるプロトタイプ、ならびに見た目や感触がポリプロピレン製品に似たモデルを製作したい時に使用する素材としてご検討ください。Durable Resinは、Flexible Resinと同様に、可撓性がそれなりに求められる用途にも適しています。その一方で、Flexible Resinと違って、剛性もある程度維持したい時に使えるのが、Durable Resinならではの特長です。
その他の素材との比較
Durable Resin(PPと類似)とTough Resin (ABSと類似)の違いについて理解するには、伸び率と衝撃強度という二つの主要な指標での両レジンの性能の違いを比較すると分かりやすいです。
伸び率は、素材が壊れずにどこまで延ばせるかを測定した最長の値で、元の長さの%で表示されます。スナップフィット式の部品、曲げ材、または柔軟な機構が求められる場合、伸張性が高いレジン(長くまたは繰り返し伸ばしやすい素材)を使用した方がプリントに失敗する確率が低いと言えます。
二つ目の重要な指標である衝撃強度は、振り子式ハンマーで試験片を打撃させた時の衝撃値を評価する方法で測定します。衝撃強度が高いということは、強い衝撃を受けても破壊されにくいことを意味します。衝撃強度は、高応力が掛かる環境でも壊れずに耐えられるパーツを製作する必要がある時には非常に重視される特性です。車のバンパーなど、衝撃を受けても跳ね返す強さが求められる部品にポリプロピレンがよく使用されるのは、そういう理由からです。
Formlabsのレジン(Durable Resin、Tough Resin、 Standard ResinとHigh Temp Resin)の伸び率とアイゾッド衝撃強さの比較
Formlabsの各レジンの性能特性について、より詳しく調べたい場合は、 素材特性データシートのライブラリをご参照ください。
Durable Resinを使ってプリントする
断面が大きなモデルをプリントする時は、タッチポイントを最低でもデフォルトのサイズでご使用ください。デフォルトのサイズのタッチポイントならば、切れやすく、ほぼどのような形状でもしっかりと支えることができます。パーツが小さかったり、繊細な形状であれば、タッチポイントのサイズを下げることをご検討ください。
Durable Resinは非常に精細な特徴が施されたパーツのプリントには不向きです。小さな穴や隙間があるパーツをプリントする時にDurable Resinを使うと、そうした穴や隙間をレジンで塞いでしまうことがあります。
Durable Resinは、その特性上、スナップフィット式の部品、プレス式の部品または形状を最終的に変形させることを想定したパーツのプリントに適しています。Durable Resinを使ってプリントしたパーツの組み立てを容易にするために、パーツを他の組立部品と合わせる前に、ヘアードライヤーまたは熱線銃で加熱してから、合わせるようにします。加熱したパーツが冷えれば、強度ならびに他の組立部品との密接度も増します。
仕上げ
Durable Resinでプリントしたパーツを洗浄する際、イソプロピルアルコール(IPA)に20分間浸け、その中で余分なレジンを溶かします。Form Washでは、事前に設定した洗浄時間を通して、パーツを浸したIPAが撹拌し続け、その間にパーツに付いている余分な液状レジンを取り除きます。Durable Resinを使ってプリントしたパーツをIPAに合計20分以上、浸けておかないようにしてください。それ以上アルコールに浸けると、パーツの品質が劣化してしまう恐れがあります。
表面を滑らかに仕上げるには、標準的なサンディング方法でサポートを外した後の痕を磨いて消すようにします。Durable Resinは低摩擦性の素材であるため、他のレジンに比べて、サンディングで仕上げ効果が現れるようになるまで時間が掛かる可能性が高いです。從って、少なくとも一回目のサンディングは、他のレジンを使ってプリントしたパーツよりも長めに行うようにしてください。
二次硬化の要件
Durable Resinは、その機械的特性を最大限に発揮できるようになるには、二次硬化させる必要があります。
Material
Durable V2
Time
60 min
Temperature