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YOKOITO Formlabs Shopを運営しております株式会社YOKOITOです。
この記事では、段階的にサポート・サービス・消耗品の提供の終了が決定したForm 2と現在発売中のForm 3+ / Form 3B+を比較しています。
実際に日々Form 2からForm 3+ / Form 3B+まで日常的に使用しているYOKOITOスタッフのレビューです。Form 2ユーザー様がForm 3+ / Form 3B+をご検討いただく際に参考になれば幸いです。
製品仕様と新機能について
1.カートリッジとビルドプラットフォーム、Form Wash&Form Cureがそのまま使える
Form 2で使用していた各レジンのカートリッジとビルドプラットフォームはForm 3+でも引き続きご使用いただけます。後処理装置のForm WashとForm Cureも引き続きご使用可能です。プリント方式が刷新されたため、Form 2のレジタンクはお使いいただけません。
このように互換性があるため、Form 2ユーザー様には後継機種のForm 3+がおすすめです。
2.ビルドボリュームが10mm大きい
Form 2では145×145×175mmだったビルドボリュームがForm 3+では145×145×185mmになりました。プリントできるサイズは大きくなりましたが、引き続きForm WashとForm Cureには入るサイズになっているのが嬉しいポイントです。
3.レジンタンクの寿命がわかる
Form 2ではレジンタンクの寿命が明確にわからず、ユーザー自身が劣化状況を自分で確認し、交換が必要か判断する形になっていました。Form 3+ではレジンタンクの使用日数とプリント時間を記録しています。装着されたレジンタンクの寿命をプリンターが判断することが可能となり、推奨お取り替えのタイミングが明確になりました。
4.プライムモードの登場
YOKOITOのスタッフも頻繁に使うプライムモード。消耗品取り付けなどの事前準備を完了しておけば、PCからForm 3+にプリントデータを送信完了した段階で、自動的にプリントがスタートできる機能です。
5.リモートプリントができる
Form 3+をインターネットに接続し、Dashboardにプリンターを登録した上で、消耗品取り付け等の事前準備を完了しておけば、PCをForm 3+と別のインターネット回線に繋いでいても、Form 3+にデータを送り自動的にプリントスタートすることが可能です。例えば自宅やコワーキングスペースなどの離れた場所からでも、オフィスにあるプリンターを動かしてリモートプリントを行うことができます。
6.プリント完了時&エラー時には音でお知らせ
何があっても無言だったForm 2。Form 3+にはスピーカーが搭載されておりますので、プリントが完了すると軽快な音でお知らせします。レジンタンクやカートリッジを認識した時にも音でのフィードバックがあります。エラーの際にも音でお知らせするので、無駄な時間が生まれにくくなっています。
7.動作音が静か
Form 2に比べてForm 3+はプリント中の動作音が静かになっています。Form 2ではZ方向の動きとワイパーの動作音が1レイヤー毎に発生していました。Z方向の動作に関しては、基本的にForm 3+では引き剥がしのための最低限の距離しか動かない仕様になっています。
8.タッチスクリーンが大きくなり、操作性とUIの向上
Form 2に比べてForm 3+のタッチスクリーンが大きくなっています。UIも刷新されており、より直感的に操作できるようになりました。
9.新レジンESDレジンが使える
静電気対策が可能な新レジン・ESDレジンはForm 2では非対応となっています。このレジンをご使用されたい場合は、Form 3+のご購入をご検討ください。今後Form 2で対応しないレジンが登場してくる可能性も弊社としても感じております。
10.ストレージの増量
Form 2と比べてストレージが増えているため、Form 3+内に保存できるデータが増えています。過去に送ったデータをプリンター内から選んで再度プリントすることが可能です。データ容量がストレージ容量を超えてしまう場合にはForm 2同様に古いデータから自動的に消していくため、データ転送時のストレスは感じません。
プリントクオリティについて
11.滑らかなプリント表面
・Form 2からForm 3へのプリント方式の変更
・Form 3からForm 3+への内部パーツ等の仕様変更
により、造形物の表面の滑らかさが2段階で向上しました。
12.3Dモデルの設計仕様の向上
Form 2では140ミクロンだったレーザースポット径がForm 3+では85ミクロンになりました。
LFS方式へプリント方式も刷新されたこともあり、オーバーハングやブリッジ形状などのプリント可能とされるデザイン設計のスペックが向上しました。例えば垂直方向のワイヤー形状も、Form 3+ではより細いデータでもしっかりプリントされているのを実感しています。
13.レーザーが照射面に垂直に当たる
Form 2ではその機構から、造形エリアの端に行くほど、レーザーの断面が楕円形状になっており、精度比較的よくなくなるとされていました。Form 3+では造形エリアのどこでも、レーザーが垂直に照射される設計になっております。
14.プリント時間が早い
Form 3からForm 3+の改善点としてプリント時間の向上が挙げられます。ソフトウェアの進化と、ハードウェアの進化によりプリント時間が早くなっております。Form 2とForm 3+を比較すると、Grey・積層ピッチ100ミクロンの設定でのPreFormでの計算は
Form 2:3時間16分
Form 3+:2時間25分
というプリント時間になっております。PreFormでForm 3+のプリント時間のシミュレーションが可能ですので、Form 2との違いをぜひ比べてみてください。
15.タッチポイントのサイズと形状の向上
LFS(Low Force Stereolithography)テクノロジーにより、1レイヤー毎の引き剥がし時に造形物にかかる負荷が小さくなりました。それにより、サポートのタッチポイントがより小さくセッティングできます。例えばデフォルトのタッチポイントサイズが
Grey・100ミクロン 0.60mm→0.50mm
Flexible 80A・100ミクロン 0.70mm→0.50mm
に向上しています。タッチポイントの形状も改善されより除去しやすく、除去後の跡も目立ちにくくなりました。
16.初期レイヤーのバリの改善
Form 3+では初期レイヤーのレーザー照射回数が減っており、それによりサポートなしでプリントしたときのForm 3に比べてバリが軽減されております。後述するForm 3+の内部光学経路の汚れにくさも含めて改善を感じており、ビルドプラットフォームへの直接プリントがより行いやすくなっています。
日常のお手入れ・トラブルに関する改善点
17.メンテナンス性の向上
Form 2ユーザーなら誰もが実施したことがあるであろう光学窓の清掃がかなり簡単・短時間で行えるようになりました。Form 2では15cm×15cm程度の広さの光学窓でしたが、Form 3+では15cm×2cm程度になり、1ストロークで窓全体の清掃が可能です。準備含めて5分もあれば日常的な光学窓のメンテナンスは完了するでしょう。
その他パーツの交換もより簡単に行える設計になっておりますので、トラブル時にはお客様でのパーツ交換も実施いただきやすいです。Form 2ではレーザー部の交換ができず、レーザー起因のトラブルの場合に機体の交換対応となっておりましたが、Form 3+ではレーザーがモジュール化されており、モジュールごとの交換も可能です。
18.クリーニングメッシュ機能
プリント失敗後にレジンタンクの底に薄い膜が貼り付いている場合があります。硬化したレジンの破片をすべて集めて一体化させ、タンクから取り出しやすくするクリーニングメッシュをプリントするオプションが用意されています。
19.プリント失敗やエラーをを検知できる
Form 2ではレジンタンクにワイパーが付属していました。Form 3+では「ミキサー」と呼ばれるものがレジンタンクに付属しています。ミキサーはマグネットで制御されています。ビルドプラットフォームに造形物がある状態でスタートしてしまった場合や、造形物の落下等の異常の際に造形物にミキサーが引っかかりマグネットが外れると、エラーが出てプリントが止まる設計になっています。
20.レジンがドロドロになる失敗は激減
プリント失敗の際に、濾過にとても時間がかかる・濾過を行わずに破棄したくなるようなドロドロしたレジンになってしまうことが激減しています。プリント失敗となった際は、レジンタンク底に薄い膜状に造形物が貼り付いていることがほとんどです。これを除去し、必要に応じて濾過(ドロドロにはならないのでそれほど時間はかかりません)を行うことで次のプリントに備えます。
21.光学経路が密閉されている
Form 2では構造的に内部光学経路がとても汚れやすく、汚れが原因で造形のトラブルに繋がるケースが多発していました。Form 3+ではレーザーや内部ミラーが密閉されたモジュールになっています。密閉されたことで、汚れの原因となる粉塵等が入りにくくなり、光学経路の汚れによる造形のトラブルが激減しております。
22.カートリッジの認識性の向上
Form 2ではしばしばみられたカートリッジの認識不良。Form 3+では認識部分のアッセンブリの改善もあり、機体起因のトラブルは激減しています。
23.リモートアシスタント
Form 3+ではトラブルの際に、Formlabs社がインターネットを介してプリンターにアクセスし、プリンターの調整を行う機能があります。これによりユーザー様の手元で、最小限のダウンタイムでのトラブル解決が行えます。
今回、Form 2とForm 3+の違いについてまとめました。YOKOITOスタッフの率直な感想としては、トラブルの少なさや機体の安定性・メンテナンス性の向上といった面で、もうForm 2には戻れないという意見が挙がっていました。Form 2のサポート終了が近づいている今、ぜひ次世代機のForm 3+をご検討いただけましたら幸いです!
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