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【解説】光造形プリンターの二次硬化について



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Formlabs社製3Dプリンター Form 3+ / Form 3B+ / Form 3L / Form 3BL での洗浄が終わった後に行う二次硬化について解説します。



二次硬化って何?

光造形の3Dプリンターでは、紫外線で硬化する特性を持った液体のレジンにレーザーを照射して硬化させます。プリント直後は、まだ完全にポリマーが結合していない状態になっています。洗浄・乾燥後、二次硬化として熱を与えながらさらに紫外線を照射することでポリマー構造が強化され、パーツの強度、剛性や耐熱性が向上します。


二次硬化すると造形物は収縮する?

ポリマーの結合数が増えると、素材がより密に硬化します。そのため、二次硬化によって若干の収縮が発生しますが、Form 3+ / Form 3Lの各レジンのプリント設定は、プリント時や二次硬化時に予想される収縮を考慮して設定されておりますのでご安心ください。



二次硬化って絶対しないといけない?

Formlabs社のレジンで二次硬化の要不要は以下に分類されます。(2022年4月現在)

  1. 二次硬化が不要

  2. 二次硬化が必須ではない

  3. 二次硬化が必須


1.二次硬化が不要

洗浄・乾燥が完了すれば鋳造の工程に移れます。

  • Castable Waxレジン

  • Castable Wax 40レジン


2.二次硬化が必須ではない

必須ではないとされるが二次硬化の設定は存在しており、実施した方がよりサラッとした仕上がりになります。

  • Clearレジン

  • Whiteレジン

  • Greyレジン

  • Blackレジン

  • Draftレジン(二次硬化なしではベタついた仕上がりになる傾向があります。)

  • Color Kit


3.二次硬化が必須

上記以外のその他のレジンは性能を引き出すために、二次硬化が必須です。

特にエンジニアリング系レジン、生体適合性材料は二次硬化が必須とお考えください。



二次硬化のためには何が必要?

Formlabsの光造形プリンターは後処理まで一貫したワークフローが設計されています。二次硬化機としてForm Cure / Form Cure Lがラインナップされています。温度と時間を設定でき適切な条件で二次硬化を行えます。プリントしたパーツを回転させることによって、ターンテーブルの下も含めた、あらゆる方向から光を照射し、パーツのすべての面に光が当たるようにします。


特に生体適合性材料は、その生体適合性を担保するために、Form Cure / Form Cure Lを使用した二次硬化が必須となります。



どのくらいの時間二次硬化するの?

レジンごとに適切な温度と時間が設定されています。例えばスタンダードレジン(White, Grey, Black)の二次硬化の設定は60℃で30分間です。ほとんどのレジンが5-60分間の推奨二次硬化時間となっております。



サポートは外してから二次硬化するの?

光や熱を与える際にサポート無しでは歪んでしまう恐れがあります。そのため基本的にサポートをつけたまま二次硬化を行い、実施後に取り外すことを推奨しています。


モデルによっては、サポート材を密集させてプリントすることが必要となる場合もあります。密集したサポート構造は、二次硬化の際にモデルの特定の表面に光が届かなくしてしまう可能性があります。必要に応じて、サポートを部分的に取り外し、モデルのすべての表面に光が確実に当たるようにしてください。二次硬化している間にパーツの特定部分が変形しないようにするために、できる限りサポートは取り外さずにパーツに残したまま二次硬化を進めるようにしてください。



二次硬化の注意点は?

以下のような点にお気をつけください。

  • 洗浄後、しっかりと乾燥してから二次硬化を行ってください。

  • 二次硬化が完了するまではニトリル手袋を装着し、液体レジンや造形物を素手で触らないでください。

  • 二次硬化が完了するまでは造形物が柔らかいので傷がつきやすいです。

  • 変形や割れを防ぐためForm Cure / Form Cure Lの予熱の際、造形物も入れておきます。


確実な二次硬化を行うには?

各レジンの物性を引き出すためには、Form Cure / Form Cure Lをご使用ください。適切な温度管理と適切な光源での二次硬化を全自動で行うことができます。


サードバーティの二次硬化システムは、二次硬化後に異なる物性となり、二次硬化の工程に関して実験・検証が必要になるかもしれません。例えば適温より温度が高くなると、二次硬化のプロセスが加速しますが、部品の形状等によっては造形物が歪む場合も考えられます。


Formlabs社がユーザーのために二次硬化ソリューションを開発した目的は、Formlabs社製レジンの二次硬化の工程を簡略化し、最適化することでした。最も効果的な方法・結果を得るために広範囲にわたるテストを行い、それぞれのレジンに最適な独自の設定を開発し、手間のかからない二次硬化のための直感的で自動化されたプロセスを設計しています。その結果、Form Cure / Form Cure Lは、ユーザーがFormlabs社のSLA 3Dプリンターを最大限に活用できるように設計された、信頼性が高いプロフェッショナルな二次硬化のソリューションとなっています。


 

今回は、光造形の二次硬化について解説しました。物性を最大限に引き出す専用の二次硬化機がラインナップされていることがFormlabs製品をおすすめしたいポイントになります。シンプルな操作で安定した二次硬化が行えます。ご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。


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