top of page

【Form 4】V5になったスタンダードレジン。これまでと何が違う?


Formlabsのスタンダードレジンが登場したのは2011年。最新のForm 1が登場したばかりのころでした。


この10年以上、Form 2、Form 3と3Dプリンターは進化し様々なエンジニアリングレジンが登場する中でも、スタンダードレジンはその汎用性と安定性の高さから「一番造形に使用されている材料」であることは今も変わりません。


2024年にはForm 4が登場し、Form 4専用のスタンダードレジンはV5となりました。

本記事では、V5になったスタンダードレジンはこれまでForm 3シリーズで使用してきたV4と何が違うのか、どう進化したのかを解説します。


今回紹介するスタンダードレジンV5はForm 4専用となっています。Form 3シリーズやForm 2にはご使用いただけませんのでご注意ください。




スタンダードレジンの進化


スタンダードレジンは、プロトタイプから最終製品まで幅広いユーザーアプリケーションに対応する多用途の素材です。


Formlabsでは、Form 4開発にあたり、長年人気のスタンダードレジンに関する膨大なユーザーフィードバックから、パフォーマンスをさらに向上させることができる新しいスタンダードレジンシリーズを開発しました。


高速印刷、高精度、美観、強力な機械的特性、簡単で信頼性の高いワークフローをバランスよく備えており、印刷時の臭いも極めて少ないため、快適で心地よいユーザーエクスペリエンスを実現します。





材料特性の向上


すべてのスタンダードレジンは靭性が向上しており、従来のV4レジンよりも衝撃強度が最大30%高く、破断時の伸びが最大2倍になっています。


このようにスタンダードレジンの材料特性が向上したため、一般的には射出成形で製造される試作部品や、一部の最終用途アプリケーションにもさらに活用できるようになりました。





造形スピードの向上


Form 4の造形スピードはForm 3シリーズに比べて3〜4倍速くになり、後処理(洗浄や二次硬化)時間もさらに短縮され、全体的にワークフロー自体がこれまでよりも速くなります。


▲LEDライトバーとマウントは、Form 4で Black Resin V5 を使用して 2時間49分で造形が可能に


写真のLEDライトバーとマウントをForm 4とForm 3+で造形した場合の各造形時間



後処理(洗浄&二次硬化)時間の短縮


後処理時間も短縮され、造形開始から後処理完了までの時間が短縮しました。

スタンダードレジンにおける、Form 3+とForm 4、それぞれのForm Washを使った洗浄時間とForm Cureを使った二次硬化時間は以下になります。

※Form Wash 2でも同様



審美性の向上


Grey Resin V5、White Resin V5、Black Resin V5 は、より濃厚でマットな色合いになりました。Clear Resin V5 は透明度が向上しています。

▲左のWhite Resin V5は、右側のWhite Resin V4よりも黄色味が抑えられ、より白が強調される色味になりました




各種紹介:V5になったForm 4専用スタンダードレジンたち


Grey Resin V5 

▲左のGrey Resin V5は、右のGrey Resin V4よりも黄色味が抑えられている


Grey Resin V5 は、幅広い部品に対して優れた寸法精度が特長です。

Grey Resin V4よりも30%高い衝撃強度を備え、プロトタイプ作成や、治具や固定具の造形に適した多用途のレジンです。


さらに、V5で改良されたグレー色は Grey Resin V4 よりも濃く、マットな表面で細かい特徴を正確に捉えます。また黄色味もV4より抑えられているのも特長です。




Clear Resin V5


▲左のClear Resin V5は、右のClear Resin V4より透明度が上がり、黄色味が抑えられている


Clear Resin V5 は、高速造形、高精度、透明性、強力な機械的特性が特長です。

また、透明性と色が改善され、滑らかな表面仕上げの透明度の高い部品を製造できます。


そして機械的特性の強化により靭性が向上し、Clear Resin V4 に比べて破断伸びが2倍、衝撃強度が25%向上しました。


流体デバイスの内部機能を示す部品、透明な筐体、光学部品、照明プロトタイプなど透明性と精度が求められる部品の生産に適した材料です。




White Resin V5

▲左のWhite Resin V5は、右側のWhite Resin V4よりも黄色味が抑えられ、より白が強調される色味になりました


White Resin V5 の明るく黄色味が抑えられた白色が特長です。


Grey Resin V5 やBlack Resin V5 と同様に、White Resin V5 は、White Resin V4 よりも破断時の伸びが 2 倍、衝撃強度が 25% 高く、靭性と精度に優れています。 


プロトタイプはもちろん、解剖学的モデル、細かい特徴と複雑な詳細を必要とする部品の造形に適しています。




Black Resin V5

▲左の Black Resin V5 は、右の Black Resin V4 と比較して、より濃厚でマットな色をしており、細かいディテールを視覚化するのに役立ちます


Black Resin V5では、V4よりも深みのある黒色のレジンを実現し、剛性と強度に優れた部品の造形に適しています。


また、Black Resin V5は、Black Resin V4よりも靭性が向上し、破断時の伸びが2倍、衝撃強度が25%高く、プロトタイピング、エンクロージャ、ハウジング、治具や固定具など、幅広い用途に必要な強度、靭性、剛性のバランスを備えています。


Form 4 で印刷された Black Resin V5 は、Form 3+で印刷された Black Resin V4 と比較して、審美性と寸法精度が大幅に向上しています。





各種スタンダードレジンV5はForm 4でしか使えない


いかがでしたでしょうか。

ここまで新登場したForm 4専用スタンダードレジンV5を4種ご紹介しました。


Form 3+で使用できていたV4よりも物性、審美性共に向上しています。


ここで一点注意点としては、Form 4専用レジンはForm 3+シリーズ専用レジンと互換性がないということです。


スタンダードレジンにかかわらずForm 4で使用できるレジン材料はForm 3+などの前機種で使用ができませんのでご注意ください。(逆もしかり、Form 3+シリーズ専用レジンはForm 4で使えません)






Form 3+とForm 4の違いを理解し、見極め、自分にあった一台を


現在、新商品のForm 4と従来機のForm 3+、どちらも併売をしています。

「どっちを導入するのが良いのか?」と悩まれることがあるでしょう。


もちろん本記事でご紹介したように、スタンダードレジンなど多くのレジンがForm 4ではアップデートされています。


また、造形スピードやコスト面でもForm 4は優れています。


しかしながらForm 4はまだ発売されたばかりの新商品です。

そのため、使用できるレジン材料や納期に関しては、まだForm 3+の方が安定しているのも事実です。


導入をご検討されている方は、現在使用できる材料や納期などを考慮し、最適な選択をしていただくのがベストでしょう。


ご参考までにこちらの比較ブログもご覧ください。(画像上にリンクあり)



導入についてのご相談は、YOKOITOまでお問い合わせください。




編集後記

今回のスタンダードレジンで目に見えて変化が大きいと感じたのは、Clear Resinです。

V4よりもV5は透明度が増し、黄色味も無くなったので、より活用の幅が広がるなと感じました。


▲弊社で造形したClear Resin V5。透明度が増し増しになっている。


その他にもWhite Resin V5も窓辺に1ヶ月放置しても全く黄色くならなかったらしい。(この話はまた別にしたいと思います)


無料サンプルも配布しているので、ぜひ手に取ってこの変化を体験して欲しいです。







Opmerkingen


bottom of page