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3Dプリントの後処理を簡単・安全に!Form Wash 2とSolvent Pump


3Dプリントの技術が進化する中で、後処理作業の効率化は欠かせない要素となっています。どれほど精密なパーツを造形できても、洗浄や仕上げが適切でなければ、物性や品質に影響を及ぼす可能性があります。


これまでForm Washは、Formlabsの自動洗浄機として多くのユーザーに利用されてきました。

しかし、新しく登場したForm 4は、従来のForm 3シリーズに比べて造形サイズが大きく、Form 4での造形サイズに対応するために、「Form Wash 第二世代(Form Wash 2)」が開発されました。


また、溶剤の取り扱いをさらに効率化するために新たにソルベントポンプも登場し、溶剤の交換や補充が自動で行えるようになりました。


このブログでは、Form Wash 第二世代の主な機能やアクセサリー、そしてソルベントポンプの使い方についてご紹介します。



Form Wash 2の主な機能



処理範囲が拡大

Form Wash 2は、Form 4の登場に伴い、従来のForm Washよりもさらに大きな造形物を処理できるように改良されました。


【Form 4 最大造形サイズ(幅奥×奥行き×高さ)】

200 × 125 × 210mm


【Form Wash 2最大処理サイズ(幅奥×奥行き×高さ)】

200 x 145 x 195 mm


【Form Wash(前世代)最大処理サイズ(幅奥×奥行き×高さ)】

145 × 145 × 185mm



自動洗浄プロセス

Form Wash 2は、3Dプリント後の洗浄プロセスを完全に自動化しています。プリントしたパーツをバスケットにセットし、洗浄時間を設定するだけで、システムが溶剤を循環させ、造形物を均一に洗浄します。手動でパーツを動かしたり、洗浄の度合いを調整する必要がないため、作業効率が飛躍的に向上します。



付属アクセサリーですぐに稼働開始

Form Wash 2には以下の付属アクセサリーがついており、使用する溶剤さえあれば、すぐに稼働が可能になります。



・説明書

・電源

・パーツ(ビルドプラットフォーム設置調整パーツ)

・溶剤の交換時期がわかる比重計(詳しい使用方法はこちら




Solvent Pumpの紹介:安全な溶剤の扱いが可能になるアクセサリー


  • 自動溶剤管理機能: ソルベントポンプがどのように自動で溶剤を足したり、抜いたりするのかを説明します。

  • 効率と安全性: この機能が、手動作業を減らし、溶剤への露出を最小限に抑えることで安全性を高め、溶剤の一定レベルを確保する仕組みを紹介します。


Solvent Pumpは、バッテリー駆動のポンプで、Form Washに溶剤を迅速に満たしたり空にしたりするアクセサリーです。ソルベントポンプは溶剤こぼれのリスクをなくし、作業フローを簡素化します。


▲Form Wash Lを使ってのデモ動画




Form Wash 2で推奨している溶剤まとめ

Formlabs社のレジンは造形後にプリントしたパーツの表面に残る液体レジンを洗浄する必要があります。洗浄することにより、品質や物性を最大限に引き出すことが可能です。

Formlabsより現在推奨されている洗浄用溶剤は以下の3つになり、導入する環境や施設のレギュレーションに沿ってどの溶剤を使うかご検討ください。


  • IPA(イソプロピルアルコール)

イソプロピルアルコール(IPA)は、最も推奨される洗浄用溶剤です。IPAは揮発性が高く、無色透明で可燃性の液体であり、強い匂いがあります。そのため、引火の危険性があるため、取り扱いには十分な注意が必要です。しかし、IPAは造形物の物性を最大限に引き出し、安定した品質を実現することができます。




  • TPM(トリプロピレングリコールモノメチルエーテル)

トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(TPM)は、液体レジンを溶かす特性を持ち、Formlabs SLAプリンタでプリントしたパーツの洗浄に効果的です。エーテルの匂いがし、油っぽく感じる無色透明な低揮発性・不燃性の液体です。表面に付いたTPMは水と石鹸で洗い流せます。IPAと異なり、TPMで洗浄したあとに、水で更に造形物を洗浄する必要があります。




  • 新登場:Resin Washing Solution

2024年9月に、日本のお客様のお声にお応えして登場したのがResin Washing Solutionです。どうしてもIPAは引火性のある溶剤として、設置場所での使用が禁止されているなどの課題がこれまでありました。Resin Washing SolutionはIPAと同等の洗浄力を持ちながら、引火性がなく、どんな環境でも安全にご使用いただけます。




最後に


3Dプリント後の処理において、適切な溶剤の選択は非常に重要です。推奨されているIPA、TPM、Resin Washing Solutionの3種類の中から、作業環境や施設の規制、さらには求める仕上がりに合わせて最適な溶剤を選ぶことで、最高の品質を引き出すことができます。特に、Resin Washing Solutionは、引火性がないため、安全に使用できる新しいオプションとして注目を集めています。


また、Form Wash 第二世代(Form Wash 2)とソルベントポンプを併用することで、後処理の効率と安全性がさらに向上します。適切な溶剤と高性能な機器を活用することで、3Dプリント後の作業がより効果的かつ安全に進められるでしょう。




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