こんにちは、YOKOITO Formlabs Shopを運営する株式会社YOKOITOです。
今回はアメリカの3DプリンタメーカーFormlabs社の大型光造形3Dプリンタ「Form 3L」「Form 3BL」をご紹介します。
以前ご紹介したForm 3+と比べると5倍のビルドボリュームを持つForm 3L。
“Form 3+の大型版”と言ってもよい程、精度はForm 3+と変わりません。
一体どんな3Dプリンタなのか。
今回の記事ではForm 3Lの性能や使える材料、作業効率がよくなる後処理機や初期導入に必要なもののご紹介をはじめ、
どんな場面でForm 3Lが使えるのか、活用方法も合わせてご紹介します。
大型の3Dプリンタの導入をご検討中の方や、興味のある方はもちろん、
どんな場面で使えるのか知りたい方など、ご参考いただけたら幸いです。
Form 3+の精度のまま大きくなった光造形3Dプリンタ、「Form 3L」とは?
2019年に世界最大の産業見本市"HANNOVER MESSE"およびアメリカの"AMUG"にてForm 3(Form 3+の前世代機)と共にForm 3Lが発表されました。
(発表当時の様子はこちら)
日本では2021年より販売が開始されています。
ここではForm 3Lがどんな技術を持っているのかご紹介します。
大きいものが造形できる!Form 3+の5倍のビルドボリューム
ビルドボリュームは造形範囲ともいい、その名の通り造形できる範囲のことを言います。
Form 3LはForm 3+に比べると5倍のビルドボリュームを持ち、Form 3+では難しい大きなサイズも造形が可能です。
Form 3Lでの最大造形サイズ
200mm x 335mm x 300mm
Form 3+での最大造形サイズ
145mm x 145mm x 185mm
参考までに、対角上に造形した場合、人間の肘下のサイズも造形できます。
▲こちらは1/1の肘下のサイズです
造形スピードも精度も、2倍のレーザーパワーで両立
最初に、”Form 3+の大型版”と言いましたが、造形範囲が広くなった分スピードや精度が落ちてしまわないかと心配ですよね。
Form 3Lの場合、移動しながら造形物に垂直にレーザーを当てる新機構、"LPU(Light Processing Unit)"内には、強力な250mWのレーザーモジュールが2機搭載されています。(Form 3+には1機)
LPU内にレーザーが2機搭載されることにより、単位面積あたりの造形スピードはForm 3+の造形スピードと遜色ないどころか、配置次第ではForm 3+よりも早く造形できることもあります。
そして、スポット径85ミクロンの精密なレーザーが、大きな造形物でもForm 3+と変わらない高精度を可能にしています。
Form 3LにもForm 3+と同様、Formlabsの特許技術であるLFS(Low Force Stereolithography)方式が採用されていますが、一般的な光造形方式の課題であったタンクと造形物の”引き剥がし動作”から起こる積層の変形が最小限におさえられ、大型でも高精度かつ再現性の高い造形を可能にしました。
操作に迷わない、使いやすいインターフェース
Form 3Lには、タッチパネルがついています。
タッチパネルには、造形開始までのプロセスが丁寧に表示され、レジンタンクや材料の設置方法、起動までの各種チェック事項が簡単に確認できます。
迷うことなく造形のスタートができ、3Dプリンタが初めての方にも優しいUIです。
▲タッチパネルはForm 3L前面右側についています
高性能ヒーティングシステムで造形失敗も大幅減
”ヒーティングシステム”が造形成功率上昇のキーの一つです。
Form 3LにもForm 3+同様、ヒーティングシステムが備わっています。
このヒーティングシステムで、レジンを適温まで自動で温めることにより、ムラなく温まったレジンにより安定した造形成功率を誇ります。
大型でもForm 3+と変わらないヒーティングシステムは、使用する大量のレジンの温度を測定し、周囲に左右されずに速く、一貫して造形をスタートしてくれるので大型の造形物でも安心です。
材料交換も簡単!カートリッジ式のレジン材料とレジンタンク
一般的な光造形3Dプリンタで多いのが、
レジン材料を手動で供給しなければければならず、造形中も足りなくなったレジンを自分で供給するという作業を繰り返さなくてはいけません。手動でやる分、造形途中もレジン残量を気にかけなければならず、レジンが飛び散る恐れもあり、掃除も大変ですよね。
また、レジン材料の交換時に、レジンが入ったトレーからレジンを抜き、清掃しないと別のレジン材料に交換できない機種もあります。
ましてやForm 3Lのような大型の光造形3Dプリンタの場合は、使うレジンの量も多いので、造形中のレジン残量確認・供給作業や掃除がより大変になってしまうように感じます。
しかし、Form 3Lの場合、Formlabsの専用のレジンカートリッジとレジンタンクを使うので実は大きくても手間がかかりません。
カートリッジタイプなので手動でのレジン供給が不要になり、造形中もレジンタンクのレジンを自動で供給してくれます。
自分でレジンを供給しなくてよくなる分、数十時間にも及ぶ大型の造形時もレジン残量や造形経過を、造形時間中ずっと確認するといった負担がなくなります。
専用のレジンタンクも、使用したいレジン材料の種類分用意することで、材料交換時に大きなトレーからレジンを抜いて清掃する手間が一切なくなります。
そしてFormlabsのレジン材料の種類はなんと20種類以上!(Form 3BLで造形可能なレジンを含む)
レジン材料の切り替えもこのレジンカートリッジとレジンタンクを交換するだけで、たった数十秒〜数分で完了です。
レジンカートリッジとレジンタンクについての詳しい記事は以下でご紹介しています。
※レジンタンクについてはForm 3+のレジンタンクをご紹介していますが、Form 3L専用のレジンタンクでも同様の仕組みです。
大きいものを造形できるだけじゃない、オススメ活用法のご紹介
Form 3Lの最大の特徴はその大きさです。
Form 3+の5倍のビルドボリュームで、Form 3+では難しかった大きなものが造形できます。
一方で場所はとられすぎず、手軽に大型光造形3Dプリンタが導入できるのも利点です。
しかし、Form 3Lは大きいものを造形できるだけではありません!
Form 3Lで製品開発の精度をより高める
みなさんは”ラピッドプロトタイピング”をご存知でしょうか。
製品開発に用いられる試作手法で、”試作品を短時間で製造する”ことを目的としています。
これまで試作品は職人が手作業で製作していたので、時間や費用がかかってしまうのが課題でしたが、近年では3Dプリンタの普及により、短時間かつ低価格での試作品製作が可能になりました。
Form 3Lではその大きなビルドボリュームを利用して、ラピッドプロトタイピングをもっと効率的に行うことができます。
例えば、様々な機能やデザインを持たせた複数パターンの試作品を一括造形することにより、製品開発サイクルが格段に短くなるだけでなく、複数パターンの反復検証から製品開発の精度はより高まるでしょう。
このように”大きさ”だけに囚われず、”その大きさを利用して量産する”ことにもForm 3Lは活用できます。
Form 3L 1台で17種類のレジン材料の使用が可能、どんなレジン材料がある?
ここまでは、Form 3Lの機能や活用例をご紹介しました。
Form 3LでもForm 3+同様に多種多様のレジン材料が使えたら、さらに活用の幅は広がりますよね。
実際にForm 3Lでは1台でなんと17種類のレジン材料の使用が可能です。(Form 3BLではさらに増えます!)
今後もレジン材料の種類は増えていくでしょう。
前述の通り、材料の切り替えはレジンカートリッジとレジンタンクの交換だけなので、複雑な設定も必要なく多種多様なレジンをForm 3L 1台で使うことが可能です。
レジン材料の種類には、曲げに強い素材、硬い(高剛性)素材、強度のある素材、高い温度に耐えられる素材やゴム・シリコンのように柔らかい素材など様々。
ここではそれぞれのレジン材料について簡単に説明します。
汎用性が高く、速く造形できる種類も!スタンダード系レジン
スタンダード系レジンは、繊細かつ正確なディテイルを表現できる汎用性のあるレジンです。
研磨や塗装もしやすい素材で、モックアップやフィギュアなど造形を美しく見せたい用途に適しています。
他にも造形スピードがその他のスタンダード系レジンの最大4倍速いレジン材料などもご紹介します。
Black Resin(ブラック)
ブラックレジンはスタンダード系レジンの中でもマットな質感のレジン材料です。光沢のない不透明な表面は、細かい特徴を正確に出したい時に適しています。
用途:高精細なプロトタイプや模型製作に
推奨使用期限:24ヶ月
積層ピッチ:50、100ミクロン
Grey Resin(グレー)
グレーレジンは光沢のない灰色のレジン材料です。塗装などの表面仕上げを目立たせたい時や細かい特徴を正確に出したい時に適しています。
また造形物の写真撮影にも最適です。
用途:高精細なプロトタイプや模型製作に
推奨使用期限:24ヶ月
積層ピッチ:25、50、100ミクロン
Clear Resin(クリア)
クリアレジンは透明度の高いレジン材料です。内部チャネル確認用や光を通す必要がある用途に適しています。
用途:透明度を必要とする高精細なプロトタイプや模型製作に
推奨使用期限:24ヶ月
積層ピッチ:50、100ミクロン
White Resin(ホワイト)
ホワイトレジンは、肉薄の時はわずかに半透明になる光沢のない白色のレジン材料です。光沢のない表面は、細かい特徴を正確に出したい時に適しています。
用途:高精細なプロトタイプや模型製作に
推奨使用期限:24ヶ月
積層ピッチ:50、100ミクロン
Grey Pro Resin(グレープロ)
グレープロレジンは時間が経過しても変形しにくく、汎用性の高い素材です。コンセプトモデル、機能的なプロトタイピングや繰り返し使用または取り扱うことを前提としたパーツの製作に適しています。
高精細、程よい肌触り、劣化しにくい素材をご希望の方はグレープロを試してみてください。
用途:高精細で機能的なプロトタイプ
推奨使用期限:24ヶ月
積層ピッチ:50、100ミクロン
Draft Resin(ドラフト)
ドラフトレジンはその他のスタンダードレジンより最大4倍も造形スピードが速いレジン材料です。初期段階のプロトタイプや迅速な反復検証に適しています。
用途:初期プロトタイピングなど高速造形が求められるもの
推奨使用期限:24ヶ月
積層ピッチ:100、200ミクロン
Color Kit(カラーキット)
カラーキットは液体レジン用として開発された初の総合彩色ソリューションです。元となるレジンに付属の専用染料を加えることで、仕上げや塗装等の手作業を行うことなく様々な色彩での3Dプリントができます。
現在16色の配合レシピが公開されておりますが、染料の配合次第では、様々な色が作成できます。
用途:カスタムカラーでのプロトタイピング、アート作品やデザイン製品、模型
推奨使用期限:24ヶ月
積層ピッチ:100ミクロン
耐熱、高強度、高剛性、エラストマー素材も!エンジニアリング系レジン
エンジニアリング系レジンは高強度や耐熱性、耐衝撃性や柔軟性など、多くの用途を持つレジン材料です。
材料の種類は全9種類!使用環境や用途に合わせて材料を選ぶことができます。
Tough 2000 Resin(タフ2000)
タフ2000はFormlabsエンジニアリング系レジンの中で強度と柔軟性をバランスよく備えたレジン材料です。高い強度の求められるプロトタイピングに最適です。
用途:頑丈な治具や固定具、強度の必要なプロトタイプ、ABSに似た強度と柔軟性
推奨使用期限:18ヶ月
積層ピッチ:50、100ミクロン
Tough 1500(タフ1500)
タフ1500はFormlabsのエンジニアリング系レジンの中で最も復元力があるレジン材料です。造形したパーツは堅くしなやかで、繰り返し負荷がかかった時、その荷重に合わせて曲がり、すぐに元に戻る復元力があります。
また、長時間の皮膚接触用途が可能です。
用途:繰り返したわむ必要のある治具や固定具などに、PP並みの強度と堅さが必要な時に、皮膚接触用途に
推奨使用期限:12ヶ月
積層ピッチ:50、100ミクロン
Durable Resin(デュラブル)
デュラブルは高密度ポリエチレン(HDPE)を模したレジン材料です。割れにくく曲げに対して粘りのある材料です。耐衝撃性が必要な部品や、ヒンジのように靭性が必要な部品の試作に最適です。
用途:高密度ポリエチレン(HDPE)製品のプロトタイプの施策、耐衝撃性が必要なパーツ
推奨使用期限:24ヶ月
積層ピッチ:50、100ミクロン
ESD Resin(イーエスディー)
イーエスディーはわずかな導電性があり、静電気散逸性を備えたレジン材料です。生産現場環境での使用に耐えられるように設計された静電気散逸性パーツ製作に適し、高い費用対効果が見込めます。
用途:ESDセーフな試作品や最終品パーツ、電子製品製造用の工具や治具・固定具
推奨使用期限:12ヶ月
積層ピッチ:100ミクロン
Rigid 4000 Resin(リジッド4000)
リジッド4000は、硬度と精度の高い素材として設計されたレジン材料です。光沢のある表面に仕上げられるよう、ガラスで強化されています。時間が経過しても変形しにくい特性を持っています。負荷がかかる一般的な用途のパーツを造形したい時に最適です。
用途:薄壁のパーツ、マウントやブラケット、治具や固定具など
推奨使用期限:24ヶ月
積層ピッチ:50、100ミクロン
Rigid 10K Resin(リジッド10K)
リジッド10Kはガラスを含有するレジン材料です。リジッド4000と比べて、耐熱性・耐薬品性・硬度・強度が向上しています。どのような条件の下でも構造の完全性を維持できるように設計されています。
用途:薄壁のパーツ、マウントやブラケット、治具や固定具など
推奨使用期限:18ヶ月
積層ピッチ:100ミクロン
Flexible 80A Resin(フレキシブル80A)
フレキシブル80Aは剛性が高く、ソフトタッチの素材です。柔らかさと強度をバランスよく両立させているので、繰り返し使用しても、曲げ・圧縮に耐えられるように設計されています。緩衝材、制振材や衝撃吸収材の製作に最適です。
用途:ハンドル・グリップ・オーバーモールドの試作、軟骨や靭帯の組織構造の模型など
推奨使用期限:24ヶ月
積層ピッチ:100ミクロン
Elastic 50A Resin(エラスティック50A)
エラスティック50Aは高い伸び率やエネルギー収支比が求められる用途に適したレジン材料です。曲げたり伸ばしたり、圧縮させたり、繰り返し使っても破れないプロトタイプを製作したい時に適しています
用途:シリコンタイプのプロトタイプなど
推奨使用期限:24ヶ月
積層ピッチ:100ミクロン
High Temp Resin(ハイテンプレジン)
ハイテンプは最高238°Cの高温環境で機能的なプロトタイプを製作する時に使用される素材として設計されたレジン材料です。高温環境に耐えられるパーツ製作をする時に最適です。
用途:高温環境で使用される製品のプロトタイプなど
推奨使用期限:24ヶ月
積層ピッチ:50、100ミクロン
鋳造、ジュエリー制作に!ワックス系レジン
ワックス系レジンは鋳造やジュエリー製作に適しています。
Form 3Lでは、1種類のワックス系レジンが使用できます。
Castable Wax Resin(キャスタブルワックス)
キャスタブルワックスでは、ろうを20%含んでおり、入り組んだディテールまで捉え、二次硬化をしなくても滑らかな表面と高い強度が得られます。灰を出さずに燃え尽きるように開発された鋳造用のレジン材料です。
用途:ロストワックス鋳造が必要なもの、特注の試作品製作など
推奨使用期限:24ヶ月
積層ピッチ:50ミクロン
Form 3BLでは、生体適合性を用いたレジンも使用可能!
生体適合性を用いたレジン材料を使いたい場合は、Form 3LではなくForm 3BLという光造形方式3Dプリンタを使います。
Form 3LとForm 3BLの違いは"生体適合性を用いたレジン材料が使えるか/使えないか"の差になり、その他の機能や精度はForm 3Lと変わりません。
Form 3BLで使える生体適合性を用いたレジン材料は以下2種類になります。
BioMed Amber Resin(バイオメッドアンバー)
短期的に皮膚や粘膜と接触する必要がある生体適合性パーツの造形用として開発されたレジン材料です。堅く機能的で強度が高い医療グレードの素材になります。
用途:医療機器の試作品、短期間の生体適合性を必要とするパーツなど
推奨使用期限:24ヶ月
積層ピッチ:100ミクロン
BioMed Clear Resin(バイオメッドクリア)
USP(米国薬局方) Class VI認証済みの、長期間の皮膚や粘膜との接触を想定されたレジン材料です。一般的な滅菌方法に対応し、耐久性や低吸水性に優れています。
用途:医療機器の試作品、長期的な生体適合性を必要とするパーツなど
推奨使用期限:24ヶ月
積層ピッチ:100ミクロン
大きな造形物も細かい造形物も、一気に洗浄&二次硬化
光造形3Dプリンタで造形したものの後処理工程の中には、「造形物を溶剤で洗浄する」と「造形物を二次硬化する」という工程があります。
洗浄時間と二次硬化時間や温度設定もレジン材料それぞれに細かく定められており、その通りに洗浄&二次硬化を行わないと造形物が歪んでしまったり、せっかく用途に適したレジン材料を使用しても物性が最大限に引き出されない場合があります。
ただ、どうしてもこれらを手作業で後処理を行うと、タイマーを使い自分で時間を計る手間や、洗浄が十分にできない、作業中の拘束時間が長いなど、時間的コストの発生や物性をうまく引き出せないなどのリスクも発生してしまいます。
それが大きい造形物だったらどうでしょう。大きい分より手間がかかってしまいますし、十分に後処理ができず物性が引き出せないリスクも高くなってしまいますよね。
そこで大型の造形物にも対応可能な、大型自動洗浄機のForm Wash Lと大型二次硬化機のForm Cure Lの使用がおすすめです。
造形物を剥がさずそのまま洗浄可能、「Form Wash L」
物性を最大限に引き出すために、それぞれのレジン材料ごとに設定された適切な洗浄時間を守る必要があり一見面倒ですが、Form Wash Lはその洗浄を自動で行ってくれます。
Form Wash Lを使用する際、Form 3Lで造形が完了した造形物をビルドプラットフォーム上から剥がさずそのままセット可能で、時間を設定すると自動で洗浄が始まります。
Form Wash L内の溶剤(IPA)がプロペラで攪拌され、造形物に残っているレジンを隅々まで洗い流します。
しかも付属のアタッチメントをつければ、Form 3+のビルドブラットフォームを2つセットすることもできるので、Form 3+で造形した小さい造形物を一気に洗浄することも可能です!
洗浄後は自動でForm Wash Lの蓋があき、自動で造形物を取り出してくれます。洗浄をしすぎてしまうと造形物が歪んでしまう場合もあるので、洗浄のしすぎを防いでくれます。
また、洗浄後に造形物やビルドプラットフォームに付着した洗浄液を、ビルドプラットフォームを傾けてForm Wah L内に戻す機能もあります。
大きい造形物はもちろん、複数の小さい造形物の二次硬化にも「Form Cure L」
二次硬化は物性を引き出すために必要な手順で、造形物表面のベタつきを取って、素手で触っても問題ない状態にする工程です。それぞれのレジン材料ごとに設定された適切な温度と時間で造形物を硬化させる必要があります。
二次硬化を完全自動化したForm Cureの大型版であるForm Cure Lでは、500Wの内蔵ヒーター2基で素早く庫内を硬化に最適な温度まで上げ、高出力の紫外線LEDからの光を、反射面になっている内壁とターンテーブルで造形物に均一にムラなく当てての二次硬化ができます。
タイマーと温度を設定するだけで二次効硬化させることができ、材料の物性を簡単かつ確実に引き出すことができます。
大型の造形物の場合はもちろん、小さい造形物を一気に効率よく硬化する場合にも使用できます。
Form 3Lを導入する時に必要なものとは?
では、実際に初めてForm 3Lを導入する時に必要なものは何かを紹介します。
Formlabsから発売されている商品で必要なものは以下になります。
・Form 3L 光造形3Dプリンタ本体
・ビルドプラットフォーム(まずは1つでOK)
・レジンタンク(レジン材料の種類ごとにレジンタンクは必要です)
・レジンカートリッジ(用途に適したものを選ぶ、初めて使うレジンは2本必要)
・Form Wash L(あると便利)
・Form Cure L(レジンによっては必須のものもあるので、あったほうが良い)
上記に加え、IPAなどの洗浄液も必要となります。
その他、ネットなどで購入が可能なあると便利な消耗品もありますので、
以下のブログから参考にするとより便利になるかもしれません。
買うと捗る!便利な道具 1
買うと捗る!便利な道具 2
買うと捗る!便利な道具 3
最後に
SLA方式3DプリンタForm 3Lの性能と、活用方法、使える材料、そして後処理機やその他導入に必要なものなど一通りご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
FormlabsはこれまでForm 2、Form 3、そして2022年にはForm 3+が登場し、約7万台以上の3Dプリンターを販売した知見から大型光造形3DプリンタForm 3Lを開発しました。
3Dプリンタで大きいものを作りたい、細かいものを一気に造形したい方は、Form 3Lを試してみてはいかがでしょうか。
▲Form 3Lのお問い合わせはこちら
実際の精度を確認してみたい方はカスタムサンプルも受け付けております!(サイズによっては無償でお作りします)
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